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新生児拡大マススクリーニング検査のご案内

拡大マススクリーニング

『新生児拡大マススクリーニング検査』は、希少疾患に対するスクリーニング検査です。

このような方におすすめ

新生児拡大マススクリーニング検査とは

当院で行える新生児スクリーニング検査は以下になります。当院では、新生児拡大マススクリーニング検査は「新生児スクリーニング検査」に追加で行います。
※スクリーニング検査とは、症状が現れていない人や特定の疾患が疑われる集団を対象に、病気を見つける目的で行われる検査で、病気・疾患の疑いを探す検査となります。スクリーニング検査で陽性の方は病気・疾患保持者というわけではなく、疑い患者ということでさらに精密検査が必要となります。

新生児スクリーニング検査

「新生児スクリーニング検査」は、先天性の代謝に対する異常、疾患を早期発見・早期治療することを目的としたスクリーニング検査です。

検査項目:アミノ酸代謝異常、有機酸代謝異常、脂肪代謝異常、糖質代謝異常、内分泌疾患など、20疾患以上の検査を行います。

検査時期:生後4日目

新生児拡大マススクリーニング検査

「新生児拡大スクリーニング検査」は、7つ(2023年9月現在)の希少疾患を早期に発見・早期治療することを目的としたスクリーニング検査です。当院は新生児スクリーニング検査に加えて行い、検査は新生児スクリーニング検査と同時に行えます。

検査項目:ポンペ病、ファブリー病、ムコ多糖症1型、ムコ多糖症2型、重症複合免疫不全症(SCID)、B細胞欠損を伴う免疫不全症、脊髄性筋萎縮症(SMA)

検査時期:生後4日目(新生児スクリーニング検査と同時に可能です)

検査可能な希少疾患とは

当院での新生児拡大マススクリーニング検査は、現在以下の7つ希少疾患に対して早期発見を目的としています。(2023年9月現在)

ポンペ病

主に筋細胞のライソゾーム内にグリコーゲンが蓄積して起こる進行性の筋疾患です。それに伴う成長・発達の遅れや呼吸障害も起きます。心肥大、肝腫大、筋力機能が低下し治療を行わないと乳児型では2歳までに死亡する可能性が高いです。※1

※1. Kishnani PS, Howell RR: Pompe disease in infants and children. J Pediatr 2004; 144 : S35-43.

ファブリー病

ファブリー病の症状は年齢により異なり、子どもの頃は手足の痛みや汗をかきにくいなどの症状がよくみられますが、年齢とともに心臓や脳、腎臓の症状がみられるようになります。腎障害、脳血管障害、虚血性心疾患、心筋症、四肢末端痛、角膜混濁などを生じます。※2 

※2. 日本先天代謝異常学会. ファブリー病診療ガイドライン2020. 診断と治療社, 2021.

ムコ多糖症1型

特徴的顔貌(大きな頭、前額の突出、巨舌など)、肝臓・脾臓の腫大、関節拘縮、骨の異形成、ヘルニア(臍・鼠径)などが臨床症状として認められます。

ムコ多糖症2型

ムコ多糖症2型は、ハンター症候群とも呼ばれます。ムコ多糖症1型と症状は似ていますが、角膜混濁が通常は現れないのが特徴です。

重症複合免疫不全症(SCID)

重症複合免疫不全症 (SCID) は、T細胞とB細胞の機能が欠如した原発性免疫不全症です。生まれつき体の中の免疫細胞の働きがうまくいかず、感染に対する抵抗力が低下する病気です。かかった乳児のほとんどは、通常生後6カ月までに肺炎、持続性ウイルス感染症、下痢等を発症します。また、生ワクチンの接種を受けると、重篤な副反応を起こすことがあります。適切な治療を行わないと2歳まで生きることは困難となってきます。※3

※3. Immune Deficiency Foundation: IDF and SCID center, Severe combined immunodeficiency (SCID), https://primaryimmune.org/understanding-primary-immunodeficiency/types-of-pi/severe-combined-immunodeficiency-scid (参照2024-12-16)

B細胞欠損を伴う免疫不全症

B細胞欠損症(BCD)によりウイルスや細菌に感染しやすくなる病気です。生後4〜6か月頃から、中耳炎、肺炎、気管支炎や敗血症、髄膜炎などの重篤な感染症にかかりやすくなります。

脊髄性筋萎縮症(SMA)

脊髄性筋萎縮症は、脊髄の中にある筋肉を動かすための細胞が変化して、手や足などの筋肉が弱くなっていく病気です。うまく痰を出せないことやうまく飲み込みができないことで肺炎等になることがあります。

検査の流れ

【 検査の方法 】
新生児スクリーニング検査(先天性代謝異常等検査)と同タイミングで新生児から採血します。その後、静岡県予防医学協会で検査、静岡県予防医学協会、静岡県立こども病院または浜松医科大学医学部附属業院の小児科専門医と連携して判定します。

  1. 採血 :生後4〜6日目に採血をします。
  2. 検査 :静岡県予防医学協会にて検査
  3. 結果 :2〜4週間程度で結果通知。
        通常、2週間健診または1ヶ月健診で結果をお渡しします。

補足及び注意事項

スクリーニング検査とは、症状が現れていない人や特定の疾患が疑われる集団を対象に、病気を見つける目的で行われる検査で、病気・疾患の疑いを探す検査となります。

スクリーニング検査で陽性の方は病気・疾患保持者というわけではなく、疑い患者ということでさらに精密検査が必要となります。

新生児拡大マススクリーニング検査での検査項目はいずれも希少疾患のため、診断が難しく、診断が遅れて治療を開始しても十分な効果が得られないことがあります。

新生児拡大マススクリーニング検査の詳細は、静岡希少疾患ネットワークにお問い合わせください。

静岡希少疾患ネットワーク
新生児拡大マススクリーニングを通じて静岡県の小児希少疾患に関する診療体制の整備のために、静岡県立こども病院、浜松医科大学、聖隷浜松病院など希少疾患専門医や静岡県予防医学協会の検査専門家などにより構成された協議会です。希少疾患の診断や技術や専門知識の普及を目的として設立しました。

※参考 静岡県希少疾患ネットワーク,”希少疾患に対する拡大新生児スクリーニング検査のご案内”,2024-12-1 

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