妊娠35週前後の健診結果で、自然分娩が難しいと判断した場合に予定帝王切開を検討していきます。
予定帝王切開の予定日に再度検査をし、自然分娩が難しいと判断した場合に帝王切開を行います。
予定帝王切開が行われる主な場合の症状や状態について説明していきたいと思います。
【症状・状態】
○前回帝王切開
前回帝王切開を行っていると、縫合した子宮筋層部分は、子宮が大きくなるにつれ、伸びて薄くなっている可能性があります。
陣痛が来ると、薄くなった子宮の筋層が裂けてしまい、子宮破裂の危険性があります。
母子ともに命に関わるため、陣痛が来る前に帝王切開を予定します。
○骨盤位(こつばんい=さかご)
通常は、赤ちゃんはお母さんの子宮の中で頭を下にしています。
しかし、赤ちゃんの頭が上にきた姿勢でいることを骨盤位(さかご)と言います。
骨盤位で自然分娩を行うと、大きな頭が最後に出るため、臍帯(さいたい=へその緒)が赤ちゃんの頭と産道に挟まれ、赤ちゃんに十分な酸素が届けられなくなります。
安全面を配慮して、陣痛が来る前に、帝王切開を予定します。
○児頭骨盤不均衡(じとうこつばんふきんこう)
赤ちゃんの頭がママの骨盤より大きい場合、骨盤の形に異常がある場合に、赤ちゃんの頭が産道を通り抜けられず、自然分娩が難しくなるために、帝王切開を選択します。
○子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)
小さな子宮筋腫では、経腟分娩できることがほとんどです。
しかし、子宮筋腫の位置や大きさによって産道をふさぐような場合は、帝王切開を選択します。
○前置胎盤(ぜんちたいばん)
胎盤が子宮口をふさいでいるために、赤ちゃんが出てこれないだけでなく、大量出血を来たします。
原則として、輸血のリスクも高く、医療体制の整った総合病院へご紹介の上で、予定帝王切開をお勧めいたします。